公社のなりたち

公社のなりたち

食の安心・安全志向への先がけとして、高知市を流れる鏡川の源流域という土佐山の立地条件を踏まえ、1989(平成元)年に小規模農家の支援を目的とした公社の活動を始めました。
そして1992年から、土づくりによる安心・安全な農産物の生産振興を進め、鏡川流域の環境保全を目的とする「有機の里づくり」に取り組んできました。
( 一 財)夢産地とさやま開発公社は、生姜・ゆず・四方竹など高知県中山間地域の特産物を生産する特定生産法人でもあり、有機関連農産物を扱う農家の流通・販路を担う経営体でもあります。

※公社の栽培面積は約500aで、生姜・ゆず・四方竹・ホウレンソウ・ゴーヤなどを栽培。公社の栽培指針に基づく生産組織「もこもこグループとさやま」には約90戸が加入、グループの栽培面積は約10haで、小松菜・ホウレンソウ・ゆずなど季節の野菜を栽培しています。

背景にあった地域の課題。農業危機

公社誕生のきっかけは、立村百年記念事業(旧土佐山村)の一環で行われた地区懇談会でした。「村民の生活はどうしたら高まるのか」を考える会で、「現状から脱するには企業誘致も含めた新たな産業起こしを考えないといけない」「村の主幹産業は農業しかない」「かつて農事研究会が農業振興をリードしたような組織が必要」などの意見が出されました。
当時は、旧村で年間1億円ほどの販売高を上げていたミョウガが根茎腐敗病で衰退の一途を辿っていた背景もあって、農業の将来性への不安が深刻でした。また、過疎化に加え、若者の農業離れ、地域を支える農家の高齢化も不安要素となっていたのです。
そのとき、誰が言うともなく提案されたのが、「公社のような動きができる新しい組織を創ったらどうか」という発想でした。
最初は産業開発という漠然とした方向でしたが、1990年の12月に準備室が設けられ、県内外の先進地調査や検討委員会での話し合いが進みました。「今できることは農業の振興であり、行政や農協・農家が手がけにくい隙間の部分を公社が担っていくことが必要」という方針が決まり、「公社のような組織」は、旧村民の大きな期待を受け、1992年に公社として設立されたのです。

土づくりから始まる環境保全型農業

誕生したばかりの公社には、急務というべき仕事がありました。それは、新しくできた「土づくりセンター」を運営しながら、化学肥料や農薬の多用によって地力が減退した土を回復させ、連作障害を克服すること。そして、農産物の収穫量を安定させることでした。というのも、ミョウガ生産の衰退に加えて、特に生姜やゆずの生産者にとって深刻な問題となっていたのが、農薬の多用による生産者の健康被害だったからです。また、鶏糞をそのまま畑に投入するケースもあり、環境への影響を指摘する声も聞かれました。土づくりセンターは、これらの課題を解決するために役立てられます。

農の隙間に光が届く、話し合って発展する組織

設立時から公社は、行政や農協・農家が手がけにくい隙間の部分を担い、農家への分かりやすい提案をすることが主な仕事とされてきました。さらに、農家への提案には現場での実証研究などの積み重ねが求められます。
農協が施設園芸などの中核農家を支援しているのに対し、公社は中核農家以外の層に対して生産支援を進めています。これも隙間を埋める提案の一部です。
地域農業を取り巻く情勢は日々変化しており、限られた組織内の活動だけでは農家や市場からの需要に応えきれなくなってきています。
変革は公社だけに限らず、いまや作物別の生産組織や各生産者自身にも求められようとしています。
農業が安定的に発展するには、多くの先行投資が必要なだけに、絶えず発展の方向を探る取り組みを議論しなければなりません。公社の役割は、その議論のなかで自然と位置づけられます。

夢産地とさやま開発公社の役割とポジション

組織概要

名称一般財団法人 夢産地とさやま開発公社
設立年月日平成4年(平成25年4月1日、財団法人から社名変更)
所在地高知県高知市土佐山桑尾1856-1
連絡先TEL 088-895-2301 
FAX 088-895-2303
メールアドレス info@yumesanchi.net
純資産1,998万円(令和2年3月)
目的高知市の中山間地域のあらゆる資源を有効活用し、生活環境の整備、
総合的な産業開発振興と後継者の育成等を計画的・組織的に推進するとともに、
地域住民の意識の高揚を促すことで自然と文化の地域づくりに寄与する。
事業内容・調査研究事業
・販路拡大事業
・人材育成事業
・地域づくり事業
・公共施設等管理運営事業
・その他関連事業
職員数職員数11名
市所管課農林水産部 土佐山地域振興課

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